臨床研究

当医局では画像診断、IVR、核医学、治療の各グループで 臨床研究を進めています。

福岡大学医学部放射線医学教室は各分野の最先端のトピックについて 臨床研究を進めています。

※注意事項、当サイトよりダウンロードした資料に関して、無断転用を禁止致します。

2018年4月20日 吉満研吾 No.(2017M172)

JIVROSG-1501 TSU-68臨床第Ⅲ相試験終了後の観察研究

緒言
肝動脈化学塞栓療法(TACE)は、腫瘍を栄養する肝動脈内に抗がん剤と塞栓物質を注入し、栄養動脈を塞栓することにより、腫瘍を阻血壊死させる治療法である。肝切除、肝移植やラジオ波焼灼術といった経皮的局所療法などとともに、肝細胞がんに対する有用な局所療法として確立している。
TSU-68臨床第Ⅲ相試験は、肝動脈化学塞栓療法の併用療法として、TSU-68(血管の新生を抑制する作用を有する抗がん剤)の有用性を検証するために、日本、韓国、台湾の3ヶ国で行われたTSU-68と偽薬(効果も害もない薬剤でプラセボともいう)を比較したランダム化臨床試験で、2010年12月から2013年11月の間に889名が登録され、その後2016年11月まで追跡を行う予定であった。
しかし、2014年5月、本試験の独立データモニタリング委員会が中間解析を実施した結果、主要評価項目である全生存期間で事前に設定した基準を達成しなかったため、本試験の中止が決定された。
TSU-68臨床第Ⅲ相試験では、日本、韓国、台湾各国の肝がん治療ガイドラインでTACEの治療対象とされる均一な集団を対象として前向きに実施されたこと、アジアの実臨床に基づいたTACEが行われたこと、また889名という多くの患者さんに参加していただいて行った臨床試験であることから、アジアから世界へ向けて新たなエビデンスを発信するために、非常に重要な試験であったと考えられており、この臨床試験に参加していただいた患者さん、中でも、偽薬(プラセボ)が投与された患者さんの治療後の経過を調査することにより、アジアにおけるTACEの治療効果の現状がより明らかとなり、今後、肝細胞がんに対して新たな抗がん剤治療の開発を行う際、各国のTACEの治療成績の基準になると考え、本研究を計画した。

2017年5月25日 吉満研吾 No.(2016M072)

肝MRエラストグラフィー測定の標準化: 多施設共同研究

緒言
MREは物質を伝搬する音波の局所の波長に基づいて物質の硬度を推定する手法であり、その基礎的研究は古くからなされてきた。その最も早期に臨床応用されたのが肝である。
慢性肝疾患において肝の線維化の程度は発癌リスクや生命予後に直結する重要な因子である。その評価には従来生検が行われてきたが、侵襲的であり少ないながら関連死の可能性があること、sampling error/病理学的評価の客観的基準の欠如などの欠点が多かった。
これに代り近年MREなど非侵襲的手法が臨床応用され始めており一定の評価絵を得つつある。これらの報告ではMRE測定による硬度(kPa)と肝の線維化の程度(線維化無しのF0から肝硬変のF4まで5段階:Metavir分類または新犬山分類)に良い相関があることが示されてきたが、そのcut-off値は一定せず大きなばらつきがあった。これは個々のデータが異なることに加え、測定法の詳細が統一されていない事が原因と考えられた。本研究では、臨床病理学的裏付けのあるF0からF4の肝MREのDICOMデータを多施設に送付し、施設間の測定値の一致度を評価する。MREが、共通のcut-off値を用いられる再現性の高い肝線維化の指標として普及する事を目的として企画された。

2017年1月31日 吉満研吾 No.(2016M030)

静脈洞血栓症における頭部ルーチンMRI 撮影法の診断能の比較検討

緒言
脳静脈洞血栓症(cerebral venous sinus thrombosis:CVT)の早期診断は難しく、診断が遅れ、脳出血に至ることも少なくない。何らかの原因で静脈洞が血栓性閉塞を起こした状態で、静脈灌流障害によって静脈性梗塞を生じやすい。細胞外浮腫が主な病理組織的状態で出血を伴うことも多く、原因が特定できない特発性も多い。静脈洞血栓症が引き金となって硬膜動静脈瘻が生じることも知られている。若年者に発症し、発症率は5人/100,000/年と推定され、全脳卒中の0.5~1.0%を占める。遺伝性または後天性の凝固亢進状態が存在する。遺伝性因子には抗凝固蛋白欠乏症、第5凝固因子Leiden変異、プロトロンビンG20210A変異などが含まれている。後天性因子には手術、外傷、妊娠、産褥、抗リン脂質抗体症候群、悪性腫瘍、ホルモン療法などがあり、経口避妊薬との関連も高い【stroke2011;42:1158-1192】
静脈洞血栓症のMRI診断においては、造影MRA、造影MRI、MR静脈撮影が有用であるが、これらは静脈洞血栓症が何らかの検査で疑われた時に施行されているものであり、通常、頭部ルーチンMRI検査には含まれていない。本疾患は疑ってかからないと頭部ルーチンMRIでは診断が難しいが、本症例の指摘にはFLAIR像や磁化率強調像(SWI)が有用であるとの報告もある。【Curr Cardiol Rep(2014)16:523】

2016年3月16日 藤光律子 No.(16-3-19)

乳腺病変における超音波造影所見の検討

2018年3月7日 肥田浩亮 No.(18-3-05)

CT/MRIを用いた頭皮の皺襞(Cutis Verticis Gyrata)の評価

2018年4月4日 坂本桂子 No.(18-4-04)

慢性肝炎患者における多相MDCT(multidetector CT)による膵実質の遅延性造影効果についての臨床的検討

2015年1月20日 高野浩一 No.(16-1-11)

新しい三次元高速スピンエコー法を用いたblack blood MR angiographyの検討

緒言
頭蓋内動脈の閉塞性病変や動脈瘤、血管奇形などの診断において、MRAは非侵襲的な評価法として長年にわたり用いられてきた。特に3Dtime-of-flight(TOF-MRA)はスクリーニングや経過観察の目的で広く行われており、その有用性はほぼ確率している。しかし、TOF-MRAでは層流や乱流などの血管内アーチファクトや磁化率アーチファクトの影響を受けやすく、また動脈末梢側の信号低下などの欠点がある。さらに血腫に代表されるT1強調画像で高信号の構造がしばしば観察の妨げとなる。従ってTOF-MRAで血管病変が疑われる場合には、しばしば造影CT-angiography(3D-CTA)で正確な状態を確認することが求められる。TOF-MRAの欠点を克服できる可能性があるMRAの一手法として、black-blood MRA(BBMRA)の使用が考えられる。近年普及してきた新しい3次元高速スピンエコー法(3D-TSE)法をBBMRAに応用してきた(TSE-BBMRA)。この方法によりTOF-MRAの欠点を克服し頭蓋内動脈病変の検出能を向上できる可能性がある。 

2015年10月20日 浦川博史 No.(15-9-13)

初回治療として肝動脈化学塞栓療法が施行された原発性肝細胞癌患者における予後予測モデルの評価:CLIPスコアとJISスコアの比較検討

緒言
原発性(HCC)の多くは慢性肝炎、肝硬変症を併存しており、HCCの予後を推定する場合、腫瘍進行度のみならず背景肝の肝予備能を同時に考慮する必要がある。そこで近年、予後予測に腫瘍進行度とともに肝予備能を考慮した種々の統合ステージングシステムが提唱されている。一般的に日本において肝動脈化学塞栓療法(TACE)により治療されたHCC患者に対して用いられる最も代表的な統合ステージングシステムにはイタリアから提唱されたGLIP Scoreと日本から提唱されたJIS Scoreがある。しかしながらTACEにより治療されたHCC患者にどちらのステージングシステムが有用であるのか世界的なコンセンサスはまだ得られていない。
本研究ではこれらの統合ステージングシステムを用いた原発性肝細胞癌患者の予後を評価・検討し、より適切な診断・治療方針の決定に向けて臨床応用を行うことを目的とする。

2015年7月22日 坂本桂子 No.(15-7-12)

MRCPにおける経口造影剤の逆流による胆管描出障害について

緒言
MR cholangiopancreatography(MRCP)検査時に、消化管内容物の信号を抑制するために経口陰性造影剤を内服することは、現在広く行われている。当院でのプロトコールでは、乳頭部および下部胆管の評価を目的としてまず2D MRCP画像を撮像し、消化管の信号抑制が必要と思われる場合にのみ経口陰性造影剤を投与し、その後に3D MRCPを撮像している。これは経口造影剤の総胆管内への逆流によりその描出がむしろ不明瞭化したという報告がこれまでになされており、われわれも臨床上経験するためである。
本研究はこの経口造影剤の逆流による胆管描出障害について、その頻度や臨床情報(年齢、性別、十二指腸乳頭部への侵襲的治療の既往の有無、リンパ節郭清を伴う胃の手術歴の有無、十二指腸憩室の有無、胆管気腫症の有無、胆石の有無、使用したMR機種等)との関連性について単変量および多変量解析により検討する。
この結果は個々の患者に応じた検査やその画像評価を行う一助となると考えられる。

2015年5月11日 吉満研吾 No.(15-4-16(15-016))

肝MR protocolへのnavigation sequenceの応用:臨床的有用性の検証

緒言
現在福岡大学病院で施行されている肝MR protocolに含まれるsequenceは息止めscanがほとんどであり、現状でもおおまかには十分な画質のMR画像が得られている。しかし、息止め困難な患者ではしばしば画像不良例に遭遇する。Navigationを用いてこれらの画像を一定の呼吸下で撮像できれば息止めできない患者にも有用であるのみならず、今以上の高空間分解能画像が得られ得る。本研究はMR protocolへのnavigation Sequenceの臨床的有用性を検証するために施行する。Navigation sequenceはGE社が無償提供し、GE社との共同研究として行う。

2015年3月18日 吉満研吾 No.(15-3-11)

320列エリアディテクタCTを用いた新たなデータ解析手法の創成と臨床応用に関する研究

2014年10月31日 高野浩一 No.(14-12-03)

造影後 iMSDE-VISTA-T1WI における血管壁造影効果の検討

緒言
従来、MRIにおける頭蓋内動脈系の評価はtime of flight(TOF)法を用いたMR-angiography(MRA)で行われてきたが、MRAによる評価は主に血管内腔の計上に限られる。近年、動脈硬化や動脈解離の診断において、MRIを用いた血管壁イメージングの報告が増加しており、特に三次元T1強調画像(3D-T1W1)の有用性が報告されている。さらに、ガドリニウム(Gd)造影を併用したT1WIは、血管壁の炎症性変化やfibrous capなどの評価における有用性が期待されている。
血管壁の評価の際には、内腔の信号を抑制して血管壁の信号および増強効果とのコントラストを強調するblack blood imaging の使用が望ましい。しかしながら従来の3D-T1WIでは血管内信号の抑制が不十分であった。
近年、拡散強調像の原理を応用した新しいプリパルスであるmotion-sensitized driven-equilibrium(MSDE)ならびに、その改良型であるimproved MSDE(iMSDE)を用いたblack blood imagingの報告が散見される。iMSDEの不可により、血管内信号の抑制と、血管壁病変の描出能向上が期待されている。またiMSDEはGd造影後T1WIにおける血管内信号の抑制にも有用であり、脳転移の検出における病変と血管の識別に有用と報告されている。従ってGd造影iMSDE付加T1WI系撮像は血管壁の造影効果の評価に有用である可能性が高い。血管壁増強効果は。血管病変の検出能向上や、質的診断能の向上に寄与すると期待される。
Blacl blood imagingにおける動脈壁のGd造影効果は、脳血管障害と関連があることが推測されるが、現時点ではこれらの関連を評価した報告は少ない。

2014年10月15日 吉満研吾 No.(14-10-10)

転移性肝癌存在診断におけるガドキセト酸ナトリウム肝造影MRI追加施行の有用性に関する後ろ向き研究

2014年11月19日 赤井智春 No.(14-11-13)

主要脈管腫瘍塞栓併発の肝細胞癌患者の選択的動脈化学塞栓法と三次元放射線治療法併用の後方視的検討

2014年12月17日 桑原康雄 No.(14-12-02)

統計画像解析を用いた線条体ドパミントランスポータの定量評価に関する研究

2013年8月5日 高野浩一 No.(13-9-07)

Flow saturation preparation を使用した black blood MRI-3D-GRE-T1WIとFSE-T1WIの比較

緒言
動脈硬化や動脈解離の診断において、MRI を用いた血管壁イメージングの報告が増加している。特に近年、三次元 T1 強調画像(3D-T1WI)の有用性が報告されている。 さらに、ガドリニウム(Gd)造影を併用した T1WI は、血管壁の炎症性変化やfibrous cap などの評価における有用性が期待されている。 血管壁の評価の際には、内腔の信号を抑制して血管壁の信号および増強効果とのコントラストを強調するblack blood imaging の使用が望ましい。しかしながら従来の3D-T1WI では血管内信号の抑制が不十分であった。
近年、拡散強調像の原理を応用した新しいプリパルスである flow saturation prepulse(FSP)を用いた black blood imaging の報告が散見される。 FSP の付加により、血管内信号の抑制と、血管壁病変の描出能向上が期待されている。また FSP は、Gd 造影後 T1WI における血管内信号の抑制にも有用であり、脳転移の検出における病変と血管の識別に有用と報告されている。従ってGd 造影FSP付加T1WI系撮像は血管壁の造影効果の評価に有用である可能性が高い。血管壁増強効果は、血管 病変の検出能向上や、質的診断能の向上に寄与すると期待される。しかしながら、報告されている撮像方法は必ずしも統一されておらず、高速スピンエコー(FSE)系 撮像法が使用されている場合と、高速グラジエントエコー系撮像法(SPGR)が使用されている場合がある。これらのどちらが臨床的に有用であるかの検討は乏しい。

2011年10月12日 吉満研吾 No.(11-10-15)

肝細胞がんに対するミリプラチン/リピオドール懸濁液の希釈増量の安全性

2011年11月16日 吉満研吾 No.(11-11-07)

肝細胞癌に対するミリプラチンとエピルビシンの無作為化比較試験

2012年3月21日 高野浩一 No.(12-3-10)

二次元および三次元的MRIを用いた頭頚部動脈解離の診断能に関する研究

2012年9月19日 吉満研吾 No.(12-9-12)

多施設共同医師主導型臨床研究:日常診療下でのガドキセト酸ナトリウム肝造影MRI-肝細胞造影相における肝エンハンスメントと肝機能に関わる臨床検査項目との相関性ならびに肝細胞造影相撮像タイムポイントに関する検討-

2012年10月17日 野元諭 No.(12-10-16)

乳房温存療法後の放射線治療後の皮膚ケアに関する研究

2013年8月21日 吉満研吾 No.(13-8-13)

ガドキセト酸ナトリウム肝造影ダイナミックMRI-動脈相画像におけるtruncation artifact出現と検査条件との相関性に関する後ろ向き研究-多施設共同医師主導型臨床研究

2011年5月18日 桑原康雄 No.(11-5-07)

全身FDG-PET/CTから得られた脳糖代謝画像を用いた統計画像解析に関する研究

緒言
腫瘍患者では、脳転移をはじめ様々な原因により脳機能の異常を来すことが知られている。近年の画像処理・解析技術の進歩により、各被験者の脳画像を解剖学的標準化により標準脳に変換し、画素単位で比較することが可能となっており、脳血流SPECTや脳PET画像では広く利用されている。本研究では全身FDG-PETで撮像したデータから脳画像部分を抽出し、画像の位置ずれ補正や解剖学的標準化を行ったのち統計画像解析の手法を用いて処理することにより、これまで全身断層像の一部としてのみ診断に利用されていた画像をより客観的かつ制度の高い診断に応用することを試みる。

201年4月20日 林賢正 No.(11-4-14)

造影CTを用いた充実性膵漿液性嚢胞腺腫と膵内分泌腫瘍の鑑別診断に関する研究