受診をご希望の方へ

福岡大学病院放射線科は、九州の放射線治療施設の中でトップクラスの症例数を誇り、日々、最先端医療をご提供しています。

通常の外来や入院を通じ、直接に患者様の主治医として診療する面も、もちろんありますが、むしろ、依頼を受けて他科の外来や入院中の患者様の診断・治療に関わることの方が多く、当科の特色といえます。

現在、福岡大学病院放射線科はMDCT3台、高磁場MRI 3台、3T MRI1台、1.5T 2台、PET/CT 1台を有しています。IVRではIVR-CT機が稼働しています。

これらの最先端機器を縦横に駆使し、日々、「最先端の画像診断や放射線科治療」を患者のみなさまへとご提供させていただいております。

ここで、機器を用いた診療内容を簡単ではありますが、ご説明させていただきます。

MDCTは、全身を1分ほどで精密に撮像する能力をもち、MRIは体の中で起こっているCTではとらえられない病態を、磁力を用いて画像化します。PETは、直接糖代謝を画像化することで全身の癌の検出に大きな力を発揮します。

また、本邦でも屈指の歴史をもつIVRではおもに肝細胞癌や肝硬変の経血管的治療、救急医療における止血等を数多く行い、診療実績を誇っています。さらに、放射線治療ではIMRT、SRTを積極的に施行してお り、がんセンターと並ぶ福岡南地区における放射線治療のメッカとして、ますます重要な役割を担っていくものと期待されています。

他にも超音波検査も数多く施行しており、放射線科は全身の幅広い疾患を総合的に画像診断し、非浸襲的に「切らずに」治療する科、とも言えます。

福大病院HP内の放射線科ページご紹介

[掲載内容]
  • 科の紹介
  • 担当医スケジュール
  • 検査 / 診断項目
  • 関連リンク,他
[専門外来]
  • 肝腫瘍・動脈塞栓
  • リザーバー(動注・静注)
  • CTガイド下・生検・RFA(肺・肝骨・その他各臓器)

お問合せ先内線番号 : 092-801-1011 放射線科外来2191

※病気や健康法に関するご質問などに電子メールや電話でお答えすることはできません。その場合には正式な受診手続または医療相談のかたちをおとり頂きます様お願い致します。

診療内容1

病院全体のCT/MR/核医学(PETを含む)などの
「画像診断の管理および読影」について

神経画像診断部門のご紹介

概 要

3名のスタッフを中心として、画像診断と研究、教育を行っています。主に脳と脊髄・脊椎,頭頚部(眼科・耳鼻科領域)のX線コンピュータ断層撮影(CT)と磁気共鳴画像(MRI)による診断を行っています。

特 色

四肢関節のCT・MRI診断,および頭頚部や脊髄脊椎の血管造影もカバーしています。検査内容は二次救急の関係で、急患・準急患が多いのが特徴です。

高野 浩一

Dr.肥田 浩亮

四肢関節のCT・MRI診断,および頭頚部や脊髄脊椎の血管造影もカバーしています。

躯幹部画像診断部門のご紹介

概 要

現在、スタッフ5名を中心に、助手、研修医数名にて胸部・腹部・乳腺のCT、MRI、US、MMGを中心に、画像診断を行っています。更に、画像診断に加えて、表在組織を中心としたnon-vascular IVRも行っています。

特 色

CT, MRIの機器の進歩は目覚しく、3D-CTやMR angiography、MRCP,拡散強調画像などの撮像法のみならず、近年においては新しいMRIやUSの造影剤の出現によって診断の広がりを見せています。これらを駆使しつつ、患者さまに優しい医療を目指しています。

また、CT、USを用いて胸部、乳腺等の生検を積極的に行っており、診断および治療に寄与しています。現在、研究の一つとして乳腺の低侵襲性治療である乳癌に対するRFAを外科との協力の下に行っています。

高山

チーフ : Dr.高山 幸久

あらゆる画像診断の精度管理を診断部門一丸となって保ちながら、日常診療を行っています。

患者さまに安心して検査を受けて頂けるように努めています。

診療内容2

核医学について

核医学 部門のご紹介

概 要

ラジオアイソトープを用いた診断と治療を行っています。診断ではPET検査を中心に脳、心臓、肺、腎、骨などのシンチグラフィを幅広く行っています。装置はPET/CTが1台、SPECTが2台、ガンマカメラが1台あります。

年間でPET検査が1000例、シンチグラフィが1800例程度行っています。治療は放射性ヨードを用いた甲状腺機能亢進症の治療や、ゾーフィゴ(Ra223)による前立腺癌骨転移治療、リンパ腫に対するゼバリン治療などがあります。

特 色

診療内容は核医学全般をカバーしていますが、PET-CTを用いた腫瘍の診断、脳血流SPECTを用いた脳血管障害や認知症の診断、心筋SPECTによる虚血性心疾患の診断、腎シンチグラフィによる先天性泌尿器疾患の診断などが主なものです。

核医学では脳血流などのデータを数値で表すため精度管理が重要です。そのため、画像の読影では生理学あるいは生化学的な知識が必要であり、レベルの高い診断ができるよう努めています。

長町 茂樹

チーフ : Dr.長町 茂樹

快適な検査環境と、レベルの高い診断を常に心がけております。

核医学部門では快適な検査環境とレベルの高い診断を提供できるよう医師、放射線診療技師、看護師が一体となって診療にあたっています。

診療内容3

カテーテルなどを用いた経血管的治療を主とする
インターベンショナルラジオロジー(IVR) について

IVR 部門のご紹介

概 要

IVRは患者さんの苦痛の軽減や入院費用の削減効果もあります。当院では、1981年に前教授の岡崎正敏が血管造影をはじめて以来、現在まで総計10000例以上のIVRを行っております。IVRは血管系のIVRと、実質臓器を対象とした非血管系のIVRとに大きく分けられます。

特 色

血管系のIVR症例の内容としては、年間200から300例ほどの内、大半がHCCに対する肝動脈塞栓術(TACE)ですが、救命センターからの事故などによる出血に対しての動脈塞栓術、消化器内科や外科からの肝腫瘍に対するリザーバー留置や胃静脈瘤に対するBRTOなど、各々年間数十例ずつ行っています。

また、最近では産婦人科から産後出血に対するUAE、呼吸器内科から喀血に対するBAE、血液腫瘍内科からCVポート挿入、内分泌糖尿病内科から原発性アルドステロン症に対して副腎静脈サンプリングなども増えており、他科にわたり様々な検査や治療を行っています。

また、当科ではIVR専門外来を開設し、当科で入院患者を持ち、治療しています。

高山

チーフ : Dr.高山 幸久

他科にわたり様々な治療や検査を行っています

種々の放射線診断手技を応用した疾患の診断および治療手技をインターベンショナルラジオロジー (IVR)といい、外科的手術に比べ低侵襲的であることが大きな特徴です。主に躯患部グループのスタッフで行っています。

診療内容4

放射線治療部門について

放射線治療部門のご紹介

概 要

年間約500例の放射線治療を施行しています。放射線治療関連機器は3次元治療計画用のCT1台、治療計画装置6台、外照射用リニアック2台、高線量率腔内照射1台です。

特 色

2021年1月に新治療機器HALCYONを導入しました。特殊放射線治療としては、定位放射線治療および強度変調放射線治療の認定施設です。定位放射線治療は年間40例以上、強度変調放射線治療は年間90例以上を行っています。高線量率腔内照射は年間10例程度を行っています。疾患によっては臨床試験グループに参加し、今後の放射線治療成績の蓄積にも努力しています。

そして、佐賀県鳥栖市には炭素線を使用した重粒子治療センターがあり、福岡大学はそのネットワーク大学として重粒子線治療の窓口となります。放射線治療の内容相談、適応判断、治療法の選択、放射線治療依頼等で受診希望の際は、予約制となっていますので、主治医の先生より当院地域医療連携室での受診予約を行ってください。

緩和放射線治療について

緩和放射線治療とは、痛みの緩和、身体症状の改善や生活の質の向上を目的として放射線治療を行う場合を、「緩和放射線治療」と言います。放射線治療は、痛みをはじめとする、がんの浸潤転移に伴う症状に対する緩和的治療において重要な手段の1つです。

治療適応で最も多いのは、有痛性骨転移ですが、その他に腫瘍の神経根や軟部組織への浸潤など腫瘍が原因の痛みであれば照射適応の可能性があります。さらに、「痛み」以外の下記の状態にも効果が期待できます。

  • ・腫瘍出血に対する止血(血痰、子宮出血、胃出血、直腸出血、膀胱出血など)
  • ・腫瘍による閉塞の改善・予防(気道閉塞、食道閉塞など)
  • ・症状の原因となっている腫瘍の縮小(脳転移、皮膚転移など)
  • ・転移性脊髄圧迫など

有痛性骨転移に対する放射線治療の紹介

  • ・疼痛緩和効果は7~8割(完全消失は2割程度)
  • ・疼痛緩和時期は照射2~3週後が多い(効果はやや遅れて出現)
  • ・治療期間は1~2週間かけて照射(20Gy/5回/1週、30Gy/10回/2週)することが多いですが、短期治療が望ましい場合は1回照射(8Gy/1回/1日)も可能です
  • ・鎮痛剤の効果が不十分、副作用で鎮痛剤の増量が困難な場合は良い適応になります

福岡大学病院での緩和放射線治療の内容

  • ・まず外来で放射線治療の説明を行い、同日に治療計画用CTを撮影
  • ・翌日以降で治療開始日を決定します。緊急性があれば当日照射を行う可能性もあります
  • ・放射線治療は1日1回の照射で月~金曜日に照射(週5回)、土日祝日はお休みです
  • ・治療時間は約10分ほどなので、通院で治療できます(入院も可能)

放射線治療外来(初診)

  • ・月・木・金曜の午前中・ご紹介の時は地域医療連携センターを介してご予約ください
  • ・緩和放射線治療適応があるか相談したい場合は、診療情報提供書(画像データを含む)を放射線治療外来に郵送していただくか、放射線治療外来に直接ご連絡ください。電話相談は平日午前9時~16時ごろまで受け付けています
  • 患者様、ご家族様へ。紹介状が必要ですので、まずは主治医にご相談ください

放射線治療相談外来へどうぞ

診療内容

放射線治療は多岐に渡り、様々な手法があります。粒子線治療、高精度放射線治療、小線源放射線治療等について治療法や適応について説明を行います。当該施設へのご紹介は行えませんので、その後の方針は主治医にご相談ください。受診時は当院地域連携室にて予約を行ってください。主治医より情報提供書や画像提供があればより正確な説明が出来ます。

診療料について

費用は通常の初診(再診)料、画像診断料(当科初診の方)となります。また、セカンドオピニオン外来ではありませんので、現治療についてのご相談等はお受けできません。ご了承ください。

放射線治療相談外来は「完全予約制」となっております。

[診療日]

毎週火曜 9:00 〜 11:30

[診療時間]

お一人30分ほど

[ご予約方法]

092-801-1011(病院)から
放射線外来(内線2191)へ